四国の国際協力人

オイスカ四国研修センター

今回は、香川県綾川町にある「オイスカ四国研修センター」所長の萬代保男さんにお話を伺いました。

①団体設立の年はいつですか?

四国研修センターが設立したのは、1968年です。

 

②団体設立から今までの経緯を教えて下さい。

【オイスカ四国研修センターの萬代(まんだい)所長】

【オイスカ四国研修センターの萬代(まんだい)所長】

はじめは1968年に香南町の冠纓(かむろ)神社の境内の中に設立しました。建物はプレハブで、研修生達が利用する農場は神社から遠く、毎日の手入れが大変でした。
その後、1981年に綾川町、現在のセンターへ移転しました。綾川町には、広い農場が近く、活動しやすい環境になりました。

 

③現在どんな活動をされているのですか?

主に研修生の受入・農業研修実施とイベント開催を行なっています。

まず研修事業ですが、現在、6か国20名の研修生がこのセンターで一緒に生活し、農業や養鶏、リーダーシップなどの研修を行っています。また、女性の生活改善にも力を入れており、調理、食品加工、保健衛生の指導を行っています。
日本語で研修を行っていることも、このセンターの特徴です。
センターの研修では、主に講義・実習・見学があります。今年の夏は「高松中央卸売市場」「南部クリーンセンター」などに見学へ行き、自分の目で実際に見ることで、講義で学ぶこと以上の収穫がありました。
また、様々な国から来た研修生と日本人が一緒に暮らしているため、お互いに違う国の文化や宗教を理解し、自主性や協調性も学ぶことができます。
2つめの活動ですが、研修生と日本人との交流、オイスカを知ってもらうための活動を行っています。
具体的には、高松市や丸亀市で開催されたイベントで、研修生たちの母国の料理や自分達が育てたニワトリから獲れた卵を使ったシフォンケーキを販売したり、オイスカのPRを行ったりしました。
さらには、このセンター内で開催した「ふるさと祭り」や稲刈り、宿泊体験などでは、研修生と参加者が一緒に料理や作業をし、国の紹介やダンスを披露するなど楽しく国際交流しています。近くの高校や小学校で出前授業をしたり、中学生の職業体験の受け入れを行なったりするなど、若い世代の学生との交流もしています。
また、高松市内にはオイスカ四国支部がありますが、支部の活動の中の1つである植林活動をまんのう町で行った時には、うどんの炊き出しをお手伝いしたりしました。

④活動のやりがいは何ですか?

研修生達が帰国する時に感謝してくれたり、このセンターで学んだことを母国で活かそうと思ってくれたりしているということを感じる時です。だから、日々、研修生達に教えていることに責任を感じます。また、海外からの評価を受けた時には、日本の役割を担っていると感じますね。
研修生達が日本で生活して、日本のことを好きになってくれる。そして、日本はいい国だと、帰国してから母国の人達に広めてくれることも嬉しいですね。

⑤萬代所長が国際協力に関わるようになったきっかけは何ですか?

々、私の父がオイスカの活動に賛同しており、ご縁がありました。出身は宮崎ですが静岡の学校を卒業後、オイスカ本部から四国の研修センターでのボランティアを頼まれたんです。ですが、私としては1週間程度と思っていたのが、1ヶ月、半年、1年と延び、そして気づいた時には、結局3年半、滞在し、生活し、仕事をしました。
これで「お役御免」かと思っていたら、四国の次は静岡県浜松市のオイスカ高等学校へ行ってくれないかとお声がかかり、働きました。後にも先にも引けない状況がありましたが、それでも自分の与えられた仕事は誠意を込めて一生懸命に取り組むのみでした。そして、その後、東京本部に移動し、今はここ四国研修センターで働いています。
はじめ国際協力は自分にとって、別世界のようでした。昔はネットもないですしね。そして、国際協力への関心も薄く、自分のやりたいことではありませんでした。ですが、いろいろなご縁があり、研修生と関わっていく中で、国際協力をしていくうちにやりがいを感じ、国際協力はいつしか自分のやりたいことに変わりました。そして、色んな方との繋がりもあり、今もオイスカ四国研修センターで働いています。
失敗も多く経験しました。日本で研修を受けた研修生から教えられることも多いです。私がとった行動によって、研修生と私がお互い心にわだかまりをもったまま研修を終え、研修生が母国に帰国しました。10年後に再会し、時を経たことによって当時の失敗、誤解、言葉足らずだったことを許しあえる関係になったという経験があります。私はすっきりとした気持ちになりましたし、寛大な研修生に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
今回、約30年ぶりに香川に赴任し、研修生と寝食を共にし、初心に返った気持ちで毎日を過ごしています。

⑥団体の課題は何かありますか?

課題は人不足と財政問題です。以前と比べると財政改革により、政府からの助成金も大幅に削減されました。財政が少ないから人も少なくなる。人が少ないから事業規模の拡大が難しく財政も厳しくなる。この2つのことは関係していると思います。
ここ、四国研修センターではセンターで1年間過ごしながら一緒に活動してくれるボランティアスタッフを1年を通して募集しています。ボランティアスタッフの方の力というのは非常にありがたいものです。

⑦これから取り組みたいことを教えてください。

PR活動に力を入れたいですね。オイスカのことをもっと多くの方に知ってほしいです。そのために、新聞やイベントなど、広報の仕方を勉強していきたいです。
そして、より多くの方にこのセンターでのイベント、宿泊体験に参加していただき、オイスカについてはもちろん、国際協力や様々な国の文化・習慣に興味をもってもらえると嬉しいです。

⑧最後にメッセージをお願いいたします!

国際協力に関心をもってもらって、海外の人と共に活動してほしいです。世界で起こっている食糧や環境問題は遠い問題ではありません。また、海外の人と触れ合うことで自分とは違った考えを発見できます。
日本の人は、自分は英語ができないと、先入観を持ってなかなか行動できない人も多いかと思います。ですが、向こうの人は話しかけてほしいと思っています。だから、先入観にとらわれず積極的に自分から話しかけてみてください。そして、将来のことなど一人で悩まず、積極的に行動してみて、国際協力だけなく色々なことに興味をもって、新しい世界から何かを発見してほしいと思います。
(2015年11月インタビュー実施、インタビュアー:北垣百梨さん)

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