四国の国際協力人

特定非営利活動法人香川国際ボランティアセンター

香川県にある国際協力NGO「特定非営利活動法人香川国際ボランティアセンター」の三谷雄治 理事長にお話を伺いました。

1.団体の設立はいつですか?

団体の設立は、1993年4月11日です。

2.団体の設立の経緯を教えてください。

1990年頃、当時の県の施策は「国際交流」を掲げており、
アメリカやカナダ、中国などに目KVCさん(三谷さん)が向いていました。香川県国際交流協会(以下、アイパル香川)では、国際交流ばかりしていたんです。もちろん国際交流は良いことですが、当時、県庁職員であった私は、税金を使って実施する事業について真剣に考えており、「先進国ではなく、行けないような国にこそ目を向けるべきではないのか?」という疑問を持つようになりました。
そこで、その疑問を当時、日本国際ボランティアセンター創設者の星野昌子さんにぶつけると、「途上国へ、ラオスへ行ってみたら?」とアドバイスを受けたことがきっかけで、1993年1月に県民10名ほどでタイ・ラオスへスタディーツアーを実施しました。
ラオスの農村地域へ行くと、灌漑設備がないために川から200m離れた土地では米が作れない、そのため高利貸にお金を借りて生活している、井戸もないという状況を目の当たりにしました。
「ラオスのために自分たちにできることはないか、ラオスを助けたい」という思いから、スタディーツアーの参加者によってこの「香川国際ボランティアセンター(以下、KVC)は設立されました。

3.現在どんな活動をされているのですか?

教育支援を中心に当初、①井戸づくり、②ピアニカの提供、③謄写版の提供、④絵本の提供を行ってきました。また、「目に見える支援を」ということで学校建設を行っており、1999年には、小学生や県民からも募金いただき、「パクポー小学校」を建設しました。これまで小学校、中学校、青少年センター、職業訓練学校など計12校の学校(校舎)を建設しました。どこに学校を建てるのかは、KVCのカウンターパートに候補地を紹介してもらい、実際に私たちもその場所へ行き、適しているかを確かめてから決定しています。
また、日本の絵本にラオス語訳を貼って送る活動を行っていますが、この活動には香川県下の小学生、中学生にも手伝ってもらっています。これは、日本の子どもたちとラオスの子どもたちを繋がる活動になっています。日本の子どもたちの教育にもなっているわけです。
そして、香川県の高校生を対象に「かがわ国際ボランティア未来塾(以下、未来塾)」というラオス・スタディツアーを実施しています。それまで、ずっと、ラオスの人づくりを中心に行っていました。ところが、ある時、自分たちが住んでいる足元を見れば、「将来したいことが分からない」と、自分に迷いのある子どもたちがたくさんいることに気づきました。「香川県内の人づくりもしなければならない!」と思ったんです。そこで2003年から、毎年県内の高校生を対象にして、ラオスに高校生を連れて行き、学びの場を作る活動をしています。この未来塾に参加した高校生は、このラオス・スタディーツアーを通じて、日本がいかに安全で恵まれているか、親に守られていたか、自分が何をしたいのか・・・多くのことをしっかり学んで、変わって香川へ帰ってくるんです。その成長を目にできるのが本当に嬉しいですね。
ラオス・スタディーツアーでは、①ラオスの子どもたちとの交流/建設した学校への訪問、②文房具の贈呈、③衣類の贈呈、④不発弾の撤去活動の支援を行っています。
ラオスにはベトナム戦争時に大量に投下された不発弾が今でも多く地下に残っています。完全撤去には、まだ100年はかかると言われています。不発弾は、「将来、困らせるため」に埋められたものです。10年ぐらい前から、これからも多くの命を奪う可能性のある不発弾を撤去する活動の支援もおこなっています。不発弾処理センター/UXO Laoの資料館も必ず見学するようにしています。
私たちは、現地の人が自分たちでやれることはやってもらっています。オーナーシップを持つことが大事だと考えているからです。自立を妨げるようではいけないですよね。そして、例えば学校建設であれば、学校を建てた後のフォローアップをするようにしています。

4.活動のやりがいは何ですか?

「人づくり」ができることにやりがいを感じます。例えば、未来塾に参加した高校生がその後、夢を持って生きていくところを見られたり、日本の素晴らしさや両親に感謝する心を持つようになったりすることも嬉しいです。
未来塾に参加した高校生は、それぞれの人生を歩んでいます。海外に出る人もいれば、医療関係へ進んだ人もいます。何かしら、未来塾に参加したことが影響しているのかな、と思います。

5.三谷さんが国際協力活動に関わるようになったきっかけは何ですか?

「100冊の本を読むより、1週間でも外に出たほうがいいよ。」先輩の一言で、23歳の時、香川県訪ソ青年の船に参加しました。これが、私と「国際」の出会いの最初だったと思います。
香川県庁に入庁し、1987年に「国際交流室」の設立メンバーになったことが、直接的なきっかけだったと思います。
はじめの頃は、先に述べましたが「国際交流」ばかりでした。「もっとするべきことがあるのではないか?」と思い、国際交流から国際協力へと方向を変えました。
県が実施していた高校生のスタディーツアーが予算の関係上、実施されなくなりましたが、「この人材育成は必要な活動だ。」と確信していましたので、KVCが引き継いで実施することにしました。
国際交流ではなく国際協力が必要だと思うようになったのは、税金を使って語学研修をするのかという反発心からですね(笑)。国際協力こそ、もっと実施する必要があると思ったんです。
そして、その頃はまだ、全国的にも国際協力に力を入れている自治体は少なかったこともあり、「香川県の国際化を日本一にしたい!」という思いが強かったのもそう思うようになったきっかけです。
自治体とNPOの連携事業の実施を目指して、岡山県の国際協力NGOのAMDAさんへお話を伺いに行きました。その後、ラオスで医療分野における技術協力を実施し、県立中央病院などの協力を得て、ラオスの医療従事者の人材育成を行いました。とてもやりがいがあることです。

6.課題やこれから取り組みたいことはありますか?

この団体を設立したメンバーのような熱い意思を持つ人、団体を引っ張って行ってくれる後継者を育てていくことです。もちろん、若い人は育ってきています。ラオスとともに香川の若者の育成をこれからも行なっていきたいですね。
ラオスへの支援は、ものを与えるという一過性のものではありません。「ラオス」があるから、香川県の若い人たちが育っています。これからも受け継いでいきたいです。

7.メッセージをお願いします。

ボランティアは誰でもできます。難しく考えることなんてありません。一歩踏み出せばいいだけです。一歩踏み出せば新しい世界が広がります。
ボランティアは特別なこととしてではなく、生活の中で当たり前にできるようになればいいなと思います。自分の喜びは自分で作り出すものだと思います。人間として行うべきもの、人間としての節理だと思っているんですけどね。
一緒に香川県も世界も良くしていきましょう!

(2015年2月インタビュー実施、インタビュアー:おさか美里さん、山下貴史さん)

■理事長:三谷 雄治
■設立年月日:1993年4月11日
法人登記年月日:2003年5月16日
■ビジョン:
国造りは人づくりから
■ミッション:
①国際支援は一方的なものでなく、双方から学びあう姿勢を大切にする。
②会員だけでなく、香川県民と一緒に「国際協力」とは何かを問いつづける。
③「国造りは人づくりから」の視点を大切にし、ラオスの教育支援を持続的に行う。
■役員:理事13名、監事2名
■会員:61名
■連絡先:
香川国際ボランティアセンター事務局
〒760-0079
高松市松縄町1075-23
Tel/Fax:087-866-9579
E-mail:info@npokvc.org
URL:http://npo-kvc.org/

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